にんにくはスーパーフード
古来から滋養強壮の食材
フレンチ、中華、イタリアン、和食、エスニックと、世界中の料理に欠かせない「にんにく」は、美味というだけではなく、古来から滋養強壮の食材として知られていました。ピラミッド建設に従事した労働者たちや、ローマ時代の兵士たちの活力源として、大量に消費されていました。一方、中国では心筋梗塞や脳卒中の治療薬として長く使われていました。
がん抑制効果No.1 にんにく
時代が下って17世紀になると、ロンドンで起こったペストが大流行した際、にんにくを用いて感染を防いだという記録が残っています。その後もにんにくの効果効用についての研究は進み、1990年には、アメリカ国立癌研究所の「デザイナーフーズ計画」によって、最もがん抑制効果の高い食品として「にんにく」が選ばれています。「にんにく」は、がんなどの疾病の予防や認知症対策など長寿に欠かせない最強のスーパーフード。日々、適量を召し上がることで、食事をおいしく楽しみながら、健康を維持してまいりましょう!
デザイナーフーズの頂点
アメリカでがん抑制のために植物の効果効用研究が行われ、「デザイナーフーズ計画」というピラミッドが発表されました。がん予防に有効とされる野菜類を40種類選定し、研究を重ねてピラミッドを作成。その中で「にんにく」が頂点と認定されました。数ある植物の中で、「にんにく」ががん抑制効果に最高であることが実証されました。
にんにくの効果効用
にんにくには数多くの効果・効用がありますが、その中で代表的なものを5つご紹介します。
1
滋養強壮・疲労回復
ギリシャ、ローマの時代から、滋養強壮、疲労回復の効果は認められていました。その秘密は「アリシン」という物質。身体にエネルギーをみなぎらせるのにはビタミンB1をしっかりと吸収する必要があります。豚肉や玄米などから摂取することはできるのですが、そのままでは吸収率が低いのが問題…。そこで「にんにく」に多く含まれる「アリシン」が活躍します!アリシンはビタミンB1と出会うと、油に溶けやすい性質に変化させ、腸からの吸収率を大きく改善してくれるのです。
2
血流改善で冷え、血栓予防
「にんにく」は血液をサラサラにする…ということは昔から言われていましたが、そのメカニズムがわかったのは、わずか30年ほど前、1980年前後のことです。「メチルアリルトリスルフィド(MATS)」という成分が血小板の凝集を抑制し、血流を増進させることが判明しました。
血流増進は、冷えや血栓を予防することにつながりますが、中でも血栓予防はとても重要!心筋梗塞や脳梗塞など、命をとりとめても重篤な後遺症を残しかねない、これらの恐ろしい病気は血栓を予防することでリスクを軽減することができるのです。血液サラサラは、本当に大事です!
3
がん予防
アメリカ癌国立研究所が研究、発表した「デザイナーフーズ計画」において、がん抑制には「にんにく」が最高位と認定しました。世界中の地域ごとのがん発生状況と、さまざまな食品の摂取状況について相関関係を調べた結果、「にんにく」の摂取量が多い地域でがんの発生率が低いという結果が得られました。これにはDATS(ジアリルトリスルフィド)という成分が大きく関与しています。この成分はガン細胞の増殖を抑え、寿命のある正常な細胞に戻して、ガン細胞を消滅させる効果があることがわかっています。
4
血圧低下作用
にんにくを食べると、体がポカポカする感じがあるため血圧が上がっていると考える方もいらっしゃるようですが、実は、下がっているのです。
血圧低下作用の成分は3つあります。そのひとつは「アリイン」。タンパク質に含まれるシステインという成分と結合し、血管を押し広げる働きをします。
二つ目は血流を滑らかにする効果を持つ「スフィルド類」。血液が流れやすくなることで血圧低下を促しています。
最後は「硫化水素」。にんにくを食べた後、体内で生成される物質です。毒ガスとして知られていますが、体内で自然に発生する硫化水素は、血管拡張を促す信号物質として働いていることがわかっています。
5
アンチエイジング
老化の原因のひとつに、体内に生じた活性酸素が、遺伝子や細胞を傷つける「老化ストレス」というものです。「にんにく」は硫黄化合物という成分の働きによって、様々な食品の中でもきわめて強力な抗酸化作用を発揮し、活性酸素を消去してくれます。
また、近年では「AGE」という物質も大きな老化要因とされるようになりました。この「AGE」が増えると肌や血管等の老化が進みシワやシミの元になるうえに、骨粗しょう症や動脈硬化、アルツハイマーの原因になることもあります。そして「AGE」は体内で蓄積され排出
されません。「にんにく」は、この「AGE」の発生を抑制する効果を発揮します。ちなみに「AGE」は揚物などのように高温で調理された食品や料理から発生するので、にんにくを召し上がる際にも、生食、蒸す、茹でるといった調理法がベストです。
「長生きニンニク」の12大効果
にんにくと健康生活
篠浦 伸禎
都立駒込病院脳神経外科部長・医学博士
私の専門は脳外科なのですが、物忘れがひどくなったという患者さんから相談を受けて、ガーリックオイルの一種である「アホエンオイル」が有効ではないかと考えて試したところ明らかな改善が見られ、改めてにんにくの有効性に注目しました。
そもそも、にんにくは古代から滋養強壮食として認知されており、エジプトのピラミッド建造にたずさわっていた人々に与えられていたのはよく知られています。1980年代になると科学的な研究もはじまり、アメリカ国立ガン研究所の研究で最もがん抑制効果の高い食品として「スーパーフード」として認定されました。ちょっと身体が疲れやすくなったなどの諸症状は、健康な状態と病気の中間で「フレイル(虚弱)」などと呼ばれますが、こうした身体の不調は、多くの場合、血流改善や腸内機能の亢進によって改善されます。にんにくの有効成分は、こうした働きを促すことが期待できます。
例えば、代表的なにんにく成分であるアリシンは、たんぱく質の消化を促進して代謝作用を高める。末梢神経を正常化する。疲労回復を促進するなどの効果を発揮します。また、にんにくを醗酵させると、肝障害予防、大腸がん予防、ヒト神経芽細胞腫の増殖阻害作用、抗酸化作用を促すS-アリルシステインが増加します。これらは生の白にんにくのお話しですが、熟成醗酵させた「黒にんにく」は、さらに高度で多様な効能が期待できます。つまり、にんにくは加工によって成分が変化し、有効性が変化するということです。白にんにく、黒にんにく、アホエンオイルはぜひ、積極的に摂って頂きたい食品です。
特に「大蒜黒白」は、このように性質の異なる白にんにくと醗酵黒にんにくの両方からエキスを抽出することで多様な有効成分を凝集させています。さらに、黒にんにくを発酵させた酢、アホエンオイル、アマニ油、卵黄などを配合し、サプリメントならではのメリットを十分に生かしていると言えるでしょう。よく考えられていると思いますし、免疫力を高めて健康を維持する、優れた栄養補助食品としてお勧めできます。